8.01.2012

Manlay Sound - Pro Boost (Part.2)


 この夏のMANLAY SOUNDの新製品を、改めてご紹介します。以前もこちらのポストで触れた PRO BOOST ですが、現物が届きました。大きさは90mm x 110mm x 30mm(ツマミ含まず)というサイズです。基本的な機能は、本体上の3つのツマミが、VOLUME(インプット・ゲイン/結構歪みます)、BASS(ベース・ゲイン)、TREBLE(トレブル・ゲイン)、そして筐体横についたチキンヘッドのノブがアウトプット・ボリューム、となります。

 もうご承知の方も多いと思いますが、矢印のロゴマークは、本家COLORSOUNDのPOWER BOOSTを倣って作ったものです(これはスペインのROMAN GILのデザインによるものです)。中央についたインジケーターは、青のダイオードです。
 このブースターはアダプター対応となっており、センターマイナスで18Vのものを使用、となっていますが、センターマイナスであれば9Vのアダプターでも使用可能です。以前も触れたように、このPRO BOOSTは18V版、つまり70年代初期の一番最初に出たときのCOLORSOUND POWER BOOST回路を採用したものなので、基本的には18V、電池を使うときは9V電池を2ケ使う、というのが基本になります。
 ですが、このペダルは電池1ケ、9Vでも動作します(その点は、オリジナルのPOWER BOOSTと同じです)。欧文説明書にも記載がありますが、以下、ビルダーROMAN GILの弁です。「9Vで使用すると、ヘッドルーム領域が狭くなり、より歪み易いペダルになります」。アダプターを両方お持ちの方は差し替えるだけで音の違いがわかると思いますが、電池を使われる方はちょっとだけ注意が必要です。というのも、片方の電池をはずしただけでは音がなりません(まあ、当然ですが)。下に掲載した写真にあるように、9Vで使用する際は、2ケあるスナップの片方のプラス、もう片方のスナップのマイナスを電池にそれぞれさせば音がなります。1ケの電池に、2ケのスナップのプラス/マイナスそれぞれを刺すわけですね。
 他にも方法があるんですが(例えば片方の外したスナップを直結させるとか)、何も道具/用具を使用せずにそのまま9V/18Vを両方試すなら、この方法がいちばん簡単かな、と思います。

 それよりも、実際の「9V」と「18V」での音の違いですが、詳細はまもなくアップされるであろう公式のデモ動画をお待ちいただくしかないのですが、当方が試した印象を以下に記載します。
たしかに、説明書の記載通り、9Vのほうが歪みます。ただし、PRO BOOSTというくらいですからアンプや他の機材をプッシュする目的で言えば、18Vのほうがギターのタッチとか、ギターの特性とか、そういった要素をより繊細かつ豪快にブーストしてくれます。これはもう好き好きなので、お好みで選ぶのがいいと思われます。個人的には、もう18Vの音を試しちゃったらもう9Vには戻れないや、と思ってますが(笑)。

 歪みは(以前も触れましたが)「ファズ寄り」の歪みですね。ただし他の「FUZZ製品」のようにギンギンには歪みませんが。使われているトランジスタはシリコン・トランジスタが3ケ、ですが、本機はトレブルとベース、2つのゲインという合計4つのコントロールがあるのでホントに細かく調整ができます。
 たとえばゲイン0、トレブル&ベース5、アウトプット5、としても音はクリーンブーストされて出力されます。ゲインを上げるのであれば、かなり音がデカくなるので、その場合はアウトプットを下げる、という使い方になると思われます。その辺りはお手持ちのアンプとご相談の上、というカンジでしょうね。

 そして更に個人的な感想を述べますと、常日頃ファズばっかり弄くり倒してる当方のような人間には、ハッとさせられるほど色んな音が出せるペダルなので、軽くカルチャーショックを感じたりします(笑)。以前掲載したジェフ・ベックの動画のような音が、レスポールとこのペダルだけで簡単に出せます(ただし、あのように上手く演奏するのは勿論簡単なことではありませんが。笑)。
 何よりアウトプットがかなりデカイので、それだけでアンプをドカッとプッシュするブースターになりますし、18Vでのブーストはそれこそリッチで豊潤な(註:個人的にはあまりこういう言葉を使いたくないのですが、それでもファズ等に比べたらこういう言葉を使わざるを得ないほど「リッチなゲイン」なんですよね)。
 もし大好きなアンプを既にお持ちの方であれば、このPRO BOOSTを指してさらに幅の広いゲイン/トーンを探しまわれるはずです。
 そして何と言ってもいちばん重要なこと。歪みが「ファズより」と書きましたが、このPRO BOOSTのサウンドは、ギターのボリューム・ノブにビンビンに反応します。その辺もジェフ・ベックの動画でもお判りいただけることとは思いますが、ギターのボリュームを頻繁に気にしてしまうことが「楽しくてしょうがなくなる」ことは間違いないでしょう。是非、お試しいただければ幸いです。
 

3 comments:

  1. いつも、楽しく拝見しています。

    とても私的ことなのですが、縁があって近々JMIのSupa Fuzzを購入するつもりでおります。

    そこで馬鹿げた質問で申し分けないのですが、JMIのペダルは基本的にすべてゲイリー・ハースト氏が監修しているのでしょうか?

    お暇があるとに、是非お返事をいただけたらと思います。

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    1. コメント有難うございます。
      JMI製品で、ゲイリー・ハーストが監修してるものは
      TONE BENDERの「MK1」「MK1.5」「MK2」だけになると思います。

      JMIがSUPA FUZZを「ゲイリー・ハースト監修」と言っているかどうかは
      定かではありません(当方ではSUPA FUZZをまだ取り扱ったことがないため)が、
      SUPA FUZZの中身がTone Bender MK2とまったく同じもの、であることも間違いないです。

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    2. 返事が遅れて申し訳ありません。

      丁寧なご回答ありがとうございます!
      先日、試しに弾かせてもらって購入を決意しました。

      このブログで知り、以前にManlayの“Super Fuzz”を購入しました。(ただ、購入はこちらからではなく、近くの楽器屋に頼んで2ndスタッフの方に持ってきてもらったのですが。)

      新しいMK3も楽しみにしています!!

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