11.06.2012

Manner of Mick Ronson (with Menatone "The Pig" Pt. 2)

 
 またブランクが開いてしまいました。ちょっと私生活でゴタゴタがありまして、大変落ち込んでいたものですから(笑)スイマセン。まあ逆にそんな時こそカラ元気だしていこうぜ、というワケで更新します。えーと、ミック・ロンソン・サウンドのキモとも言える、MARSHALLの初期型MAJOR、通称THE PIG、そしてそのシミュレート・ペダルである、米MENATONEのTHE PIGのサウンド・デモのご紹介です。
まずはこちらを是非お聞き下さい。1970年、デヴィッド・ボウイのラジオ・ライヴのセッションで残された音源です。ギターはロンソンの1本のみ、もちろんレスポール・カスタムですね。で、アンプは例の初期型MAJOR、なんとワウもファズも挟んでないピュアな初期型MAJORの音が、しかギシギシと歪ませたMAJORの音が聴けます。

 よくチマタで言われる「ミック・ロンソンの中域モッコリなサウンド」は大方がソロ・ノートでファズをONにして、ワウを反踏みした時の音、を指していると思われますが、もちろんそんなのはソロの時だけ、ということはボウイ・ファンであればご承知のことと思われます。そうでない部分の音は、基本的にレスポール・カスタムとマーシャルMAJORだけでの音、ということになります。

 昔「ミック・ロンソンのギターには鉄板が仕込まれてる」なんていうテキトー極まりない(笑)噂が流れたことがありました(ホントなんですよ。笑)。もちろんそれは彼の“金属的な”エッジの利いたギター・サウンドとロング・サスティーンに由来したものですが、当然そんなウワサは大嘘です。
 そんなワケで、この動画をご堪能いただければ、カッティングであるとか、ピックスクラッチであるとか、あらゆる場所に「ああ、ロンソンのサウンドだあ!」とご納得いただける箇所が沢山ありますよね。やはりキモはMAJOR、しかも初期型、ということがこれでハッキリしたと思われます。

 さて、ではそのMARSHALL MAJOR初期型をシミュレートしたMENATONE THE PIGのデモ動画となります。まずはこちら。ご自身もSONIC VIというブランドでカスタムビルドのエフェクター・ブランドをお持ちの方が、ギターとTHE PIGだけでシンプルなデモ動画を作っています(途中、ワウ、それからTONE BENDER MK1クローンを試している箇所もあります)。

 うーん、素晴らしいペダルですね(笑)。ただ単純に俺の好みにドンズバだ、ということもあるのですが、今までかなり多くの「マーシャル・シミュレート」ペダルを試しましたが、当然のようにこの「MAJOR初期型」の音が出るものはひとつもありませんでした。遂にそれが世界に登場した、ということになりますね。
個人的に、やはりキモは例のパラレルでの2トーン・コントロールと、それをミックスしたときのフェイズ効果、というのに尽きるのだと思います(その詳細は、前回のポストをご覧下さい)
 そしてもうひとつ動画をご紹介、といいたいのですが、埋め込みができない設定になっているので、動画のワクの「YOUTUBEで見る」を是非クリックしてご覧下さい。実はこの動画の主こそが、MENATONEのブライアン・メナ氏に「ロンソンの音がでるペダル作ってよ」と最初にオーダーしたJ.J.氏ご本人のデモ動画となります。説明欄にあるコメントを、簡単に翻訳してみます。
 「67年製(初期型)のMARSHALL MAJORは、ほぼ入手不可能だ。数多くの素晴らしいアンプ・シミュレート・ペダルを作っているブライアン・メナとの出会いから生まれたこのペダルは、ブライアンがいくつものチャレンジを経て完成したMARSHALL MAJORのサウンドを再現するペダルだ。我々はいくつもの回路図や内部写真を参照し、ブライアンの知人が持っている現物とも照らし合わせて、そうして生まれたメダルでもある」

 そしてこの動画のコメント欄にもご注目。ロビン・メイヒューという人がコメントを寄せていますが、前にも書いたのでご記憶の方もいると思いますけど、1970年代のジギー・スターダスト時代のバンド・エンジニアをやっていた人です。彼が「完璧なロンソン・サウンド」とコメントを寄せていますね。「サウンドチェックをやってた時代にタイムスリップしたよ」なんていうコメントも寄せてて、ちょっと泣かせてくれます。

 最後のほうではJ.J.氏本人が喋ってますが、うわー、この人ロンソン・マニアだけでなく、マーク・ボラン・ファンなんですね。こんだけVAMPOWERのアンプ持ってる人って、おそらく世界で彼だけでしょうね。スゲー。
 それから余談ですが、J.J.氏もホンモノの初期型MAJORを持ってるワケではないので、YOUTUBEにあるジェイソン・クイック氏の動画の音を参照した、と明かしています。これはブライアン・メナ氏からも同様のことを当方も聴いています。やっぱり、あの動画の音、素晴らしいですもんね。

 さて、では同じ60年代のマーシャル・プレキシ系なのに、なにがそんなに初期型MAJORは違うのか、のサンプルとしてもうひとつ動画を載せます。同じMENATONEブランドでは、プレキシ・マーシャルのシミュレート・ペダルでWORKINGMAN'S BLUEというペダルがあります。これ、当方もなかなか好きなペダルではあるのですが、ロンソンのようなギャリンギャリンというエッジの利いた歪みとはやはり異なります。むしろ純粋にクリームとか60年代クラプトンのサウンドを出したい、もしくはコンボのJTM45のサウンドを狙いたい、というのならこちらのほうが絶対にいい、とは思います。が、とにかくロンソンのサウンドとは別物、ですよね。

 MENATONEのブライアン・メナ氏がいうところの、ミックスしたときの独特のフェイズ・キャンセリング効果によって、ペコっとへこむ中域が存在することが、逆にそのスイープに含まれない中低域+中高域をグワっと持ち上げることで、例のギャリンギャリンなサウンドが生まれるのではないか、と思っているのですが、いかがでしょうか。
 ちなみに、以前もチラリと書きましたけど、ホントに多くの紆余曲折もありまして、当方は今年になって念願の初期型MAJORを入手しました。以前持っていた後期型MAJORを処分し(今は若きジョン・フルシャンテ・ファンのギタリストが愛用されているハズです)、ちょくちょく音出してひとりでニヤニヤしてるわけですけど(笑)、さすがに都内の狭い賃貸住宅、とてもロンソン同様に歪ませるワケにはいきません。はやくアッテネーター作ってもらわなきゃ(笑)。
 

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